漫画

「ダブルケア」って知ってますか?【漫画】 

「実家も近くで両親もいる」けど…

シングルマザーの私が、実家の近くに住んでいると言うと、よく「いいなぁ、頼れるね」と人に言われるのですが、私の場合は…というのを漫画にしてみました(2021年2月頃の作品)。

(付箋に描いて、写真に撮ったのでピンボケして読みづらいです。ご了承ください。)

私は実家の親を介護している「ダブルケアラー」

「ダブルケア」とは、子育てと同時期に、親や親族の介護をすること。

内閣府男女共同参画局によると平成28年の時点でダブルケアを行う者は約25.3万人(女性約17万人、男性約8万人)。15歳以上人口 に占める割合は0.2%。

しかし晩婚化、高齢出産の増加と共に核家族化も進み、ダブルケアの問題を抱える人も今後増えていくと考えられています。

私の両親介護が始まったのが36歳。その後、39歳で出産しましたが、妊娠出産をする時点でダブルケアをしている人は知り合いではいませんでしたが、だんだんと周りでも義理の親や実の親が体調を崩している知り合いが増えています。

負担を強いられるケアラー

ダブルケアの「ケア」には、ケアラー本人のケアは含まれていません。女性の場合、さらに「介護は女性がするもの」という無言の社会通念があるためか、ケアへの協力は周囲から得ることが難しいようです。

ダブルケアを行う女性は、男性に比べて周囲からの手助けが得られていない。

ダブルケアを行う男性は、配偶者から「ほぼ毎日」手助けを得ているのが半数以上となっているのに対し、女性では4人に1人にとどまっている。

内閣府男女共同参画局
「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査」(平成28年4月)

家庭内の理解不足だけでなく、職場からの理解・協力を得るのもまた難しい実態があります。

ダブルケアに直面する前に就業していた者のうち,ダブルケアに直面したことにより「業務量や労働時間を変えなくてすんだ」者は, 男性で約半数であるのに対し, 女性では約3割に留まっている。

「業務量や労働時間を減らした」者は, 男性で約2割, 女性では約4割となっており,その うち離職して無職になった者は,男性で2.6%,女性で17.5%となっている。

同上


統計の数字ではこのように出ていますが、性差なく「ダブルケア」というのは、身体的、精神的そして経済的に様々な面でケアラーを逼迫していくものだと思います。

「施設に入れれば」「役所に相談して」

周囲の人間、親戚はもちろん、職場から「他の人にお願いして」「介護保険があるでしょう」とも言われるのですが、介護保険でカバーできる介護内容や時間には限りがあります。また、お金がかかってくるものです。

「施設に入れれば」と言われても、特別養護老人ホームは東京ではどこも空きがなく、要介護4の父が申し込んで「100点中85」と優先順位は低くなくても最低で75人待ちでした。また、1ヶ月にかかる費用は20万円弱(低所得で、貯金がなければ負担限度額認定証が出るため、半額以下になることもありますが)かかります。サービス付き高齢者施設は空きがあるところも多いですが、費用は特養より上ということが多いのが現状です。

その他にも、「助けになるんじゃ?」と思える仕組みも、ダブルケアの場合には使えない、足かせになる場合があります。また別の記事に書こうと思いますが、保育園の申し込みは「就労」と「介護」は別々のもので査定され、介護をするために時短で働いていた場合、「フルタイム」ではないため点数が下がって診断されます。また「介護」にしても「フルタイム」の介護ではないため、低い点数のままで保育園のウェイティングリストに載せられてしまいます(少なくとも東京の私の地域では)。

もしも身近にいたら

もしもあなたのそばにダブルケアをする人がいたら、理解と協力を少しでもいただけたら、少なくともこころの負担が減ります。

突然の発熱があったり怪我があると早退や遅刻、電話対応が必要になってしまいます。子どもならまだしも、大人の発熱で大切なお給料を減らしたくないのですが、ヘルパーさんも訪問医も家族の同意がないと動けないことが多いのです…そんなだからなかなか雇ってくれるところも見つけられませんし、働いていても「使えないな」と不満に思われることが多いです。実際「使えない」人間なのかもしれませんが、ほんの少しだけ辛抱をしていただければありがたいです。

お金のことはもちろんですが、その他に社会との繋がり、やりがいを持つ機会をなんとか保ちたいので私は仕事は続けていきたいです。そうしないと、「自分自身」がいよいよわからなくなってしまいそうで…

「介護も」どっちも
諦めないで良い環境がいつかできますように。